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Moustche Favorites 寺門先生のデッサンのこと
鰻谷のムスタシュは、それこそ鰻の寝床のように間口が狭かった
のですが、奥行きがずいぶんとありましたので、回廊のような感
じでした。両方の壁面に充分な展示をするためには、相当な数の
作品が必要でした。個展の2日前、準備のインスタレーションの
段階で ”絵がまだ足らん!”ということになり、マダム・ムスタ
シュが神戸・北野の寺門先生のアトリエへ走りました。寺門先生
は、個展のために日夜寝食を忘れ制作に従事していたので、のび
た君状態・・・これ以上描いて下さいというのも忍びなく、マダ
ム・ムスタシュがアトリエ中のスケッチブックなどを家探し?!
したところ、出るわ、出るわ、宝物の様に、キラキラしたデッサ
ンの数々・・・ 今や伝説となってしまった「猫のK」(部分)などのデッサンは、
この時に発見したものです。藤田嗣治を彷彿とさせるような繊細
で緻密な作品は今も忘れることができません。 寺門先生のデッサンの魅力は、その緻密さと、歳の割に(失礼!)
手練れた洒落っ気を醸し出しているところのように思われます。
子供の頃から、何万枚、何億枚と描きつづけ、感覚が研ぎ澄まされ、
いい具合に力が抜けてきたのでしょう。世界で一番優しいデッサン
と言っても過言ではないとギャルリ・ムスタシュは思っています。
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